現在。齲蝕や歯周病のリスクファクターについてはさまざまな臨床検査が普及し、個々の細菌学的リスクの評価も可能となっています。特に齲蝕に関与するミュータンス連鎖球菌(以下MS菌)の除菌は、予防歯科において重要です。
3DSとは、従来、手付かずであった「細菌のリスクファクター」に介入する方法論で、プラークコントロール技術のうち、プロフェッショナルヘルスケアにも分類されます。
ドラッグリテーナーと呼ばれるマウスピースを用いて抗菌剤を歯の表面に運び、一定時間作用させます。お口の中をむし歯や歯周病にならない環境にすることを目的としています。
予防歯科以外にも補綴物の維持管理、疾患進行抑制、矯正治療の術前処置など、多様な目的の答えられるバイオフィルムコントロール技術です。
口腔内には約400種類の微生物が存在します。微生物が凝集し、歯面に付着した状態がプラークです。
たとえていうなら、バスタブの内側に一層付着する水垢のような存在です。プラークは全身疾患の原因にもなります。
3DSは2段階の工程から成り立ちます。
1.バイオフィルムをPMTCなどで物理的に破壊
2.ドラッグリテーナーによって最適濃度薬剤を歯面へ局所集中輸送することで、再定着の原因をなる残存バイオフィルム細菌(MS菌)に対し化学療法を行う。
もし、3DSを行うことになる場合、原則として術前検査(唾液を取るだけの検査で、簡単に行うことができます)においてMS菌の検査値が高いことが条件となります。
3DSはあくまで歯面に定着した病原性菌群を除去することで、間接的に口腔細菌叢を良質化させるもので、積極的に正常細菌叢を構築する(プロバイオテックスのように菌を移入させる)処置ではありません。したがって、検査の結果MS菌の値が低く、齲蝕がない方の場合は必ずしも3DSを実施する必要はなくPMTCのみで十分メンテナンスが可能です。
3DSの持続効果(MS菌の再定着抑制)は2ヶ月〜1年です。
虫歯の病因菌(ミュータンス菌)は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはいないことが確認されています。しかし、歯が生え出す頃から次第に感染者が増加します。そこでむし歯は感染症であると考えられるようになってきたのです。
ミュータンス菌の量が多いお母さんとお子さんが、同じスプーンを使って食事をしたりするとミュータンス菌に感染しやすくなります。
また、お母さんに治していないむし歯があると余計にミュータンス菌が増加しますので、早めに治療をしましょう。 定期的に検査を行い、除菌処置を繰り返すようにしましょう
術前検査 SM検査…¥5250
PMTC(上下で)…¥6300(各¥3150)
3DS用マウスピース(上下で)…¥15750
薬剤塗布料(2回で)…¥5250(各¥2625)
術後検査 SM検査…¥5250
TOTAL: ¥11550〜¥37800
※表示は全て税込み価格です。
検査、施術の組み合わせはカリエスリスクの程度で異なります
詳しくは歯科医師もしくは歯科衛生士にお尋ねください。